エラスムス
「エラスムス」をご存知だろうか。ネットで検索すると、15世紀オランダの人文学者が出てくるが、ここで紹介したいのは「エラスムスプログラム」という、欧州圏内の交換留学制度である。
エラスムスプログラムは、1987年に発足した包括的な人的交流プログラムで、そのうち学生向けの事業は、欧州圏内の学生が3か月〜12か月間、他大学に留学できるというものである。その間は学費が免除され、さらに奨学金をもらうことができるそうだ。日本では各大学が独自に協定校交換留学制度を設けているケースが多いと思うが、こうした広範囲な人的交流プログラムは、学生により多くの選択肢を提供できるだけでなく、ネットワークやノウハウの蓄積・継承といった点でも非常に魅力的だと感じる。
ヨーロッパ各地には、エラスムスの学生のコミュニティが存在する。詳しい内情はよくわからないが、現地の大学に通う学生や、過去のエラスムス参加者などが中心となって、現地での住居や生活のサポートや各種イベントの企画を行なっているそうだ。私はエラスムス生ではないが、Instagramで主催者にコンタクトを取ってみたところ、WhatsAppのグループに気前よく招待していただいた。ビルバオでは Aste Nagusia / Semana Grande という年に一度のお祭りが行われている。ちょうど大学の学期が始まる前で、エラスムス生たちのウェルカムシーズンと重なるため、ミートアップイベントでは世界各国から集まった多くの学生と出会うことができた。
せっかくなので、WhatsAppグループの連絡先情報にある電話番号をもとに、今現在(これからもっと増えるらしい)どの国の学生が何人いるかを集計してみた。実際に彼らと会った時の感覚とある程度合致しているが、ヨーロッパが最も多いのは当然として、次いで中南米が多い。エラスムスプログラムは、近年少しずつ対象地域を広げているようで、その影響もあってかスペイン語圏からの学生が目立つ。また少数ながらアジアやオセアニアからの学生もいるようだ。
30 | ギリシャ | 1 |
31 | オランダ | 5 |
32 | ベルギー | 2 |
33 | フランス | 10 |
34 | スペイン | 21 |
353 | アイルランド | 3 |
358 | フィンランド | 1 |
370 | リトアニア | 1 |
371 | ラトビア | 1 |
372 | エストニア | 1 |
386 | スロベニア | 2 |
39 | イタリア | 6 |
40 | ルーマニア | 1 |
420 | チェコ | 2 |
421 | スロバキア | 1 |
44 | イギリス | 4 |
45 | デンマーク | 3 |
46 | スウェーデン | 6 |
47 | ノルウェー | 1 |
48 | ポーランド | 3 |
49 | ドイツ | 20 |
51 | ペルー | 2 |
52 | メキシコ | 2 |
54 | アルゼンチン | 2 |
55 | ブラジル | 2 |
57 | コロンビア | 2 |
591 | ボリビア | 2 |
61 | オーストラリア | 1 |
81 | 日本 | 2 |
82 | 大韓民国 | 2 |
90 | トルコ | 2 |
なお、WhatsAppグループの管理者は、上記の表から除外してある。また「スペイン」の人数は、私のように現地でSIMカードを契約した人の数も含まれていると思われるため、スペイン出身者の人数を反映しているとは限らない。