100日後にスペインに行く人

スペイン語初心者の学習記録

Castellano

イスタンブールからビルバオに向かう機内で、隣の席の女性にスペイン語で話しかけてみた。「ビルバオに住んでいるんですか?」「いえ、サンセバスチャンです」といった程度の会話だったが、現地の人とスペイン語で話すと「あなたのスペイン語はとても上手ね」といったお世辞というかお褒めの言葉を頂くことが多い。それはよしとして、問題は「スペイン語」の部分である。

 

¡Tú hablas castellano muy bien!

 

だったと記憶している。やっぱり Castellano なんだな!って気づいて、納得というか違和感というか、数秒間だけ不思議な感覚に浸っていた。

 

スペイン語で「スペイン語」は通常 Español と言うのだが、ここバスクでは Castellano という表現を使う人が多いと感じる。スペイン国内には歴史的に数多くの言語が存在し、Castellano は現在の「スペイン王国」の中心となったカスティーリャ王国カスティーリャ地方で話されていた言語だ。現代では Español と Castellano はイコールなのだが、Euskera (バスク語) が公用語バスク自治州や、Catalan (カタルーニャ語) が話されているカタルーニャ地方などでは、その違いを強調するためかスペイン語を Castellano と呼ぶことが多いようだ。

 

翻って我が国では、国民国家公用語なるものを語る上で、未だに「日本語の方言」としての認識が強い「琉球語」の存在を無視せずにはいられないだろう。沖縄の人々は、彼らの言葉を「ウチナーグチ」そして日本語のことを「ヤマトゥグチ」と呼んで区別することがあるそうだ。偶然にも「ヤマト」とは、現在の「日本国」の中心となった大和朝廷大和国(現在の奈良県)を指しているわけで、こんなところにも国境を超えた共通点が見出せるのかもしれない。